ニュージーランド,  雑感

Kiwi Husband

ニュージーランドへやって来て2週間が経ちます。
滞在は全部ホームステイにしています。
なるべくたくさんの人と繋がり、たくさんコミュニケーションを図りながら、その人たちの事や周りの環境の事について知りたいと思ったからです。(あと宿泊費にビビったからです。)
この選択が出来たのは本当に良かったなと思っていて、様々な地域に住む人達と話をする中で見えてくるものや、暮らしの雰囲気や、ニュージーランド人の感じなどが伝わってくるからです。

「Kiwi Husband」という単語があります。
もしかしたらこのブログでも以前触れたかもしれません。
こちらの旦那さんやお父さんは積極的に家事・育児に参加することで、そういった風習をよその国の人が見て、その様のことを「Kiwi Husband」と命名したのが由来だそうです。

僕もそのことは非常に強く感じます。
男の人が家の中で良く動きます。
日本では「男子厨房に入らず」なんて言葉もありますが、ニュージーランド男性は自然と料理をしたり、奥さんの為にコーヒーやお茶を入れては奥さんの元に届けたり・・・と日本で生まれ育った僕からしたら、すごく違和感を感じる(表現が乱暴でお粗末だが、「奥さんが偉そうにソファーに座って、飲み物を運んでもらったり、「電気点けて(消して)」と旦那さんに指示していたり)。
父親としての威厳が・・・という風な事を言われながら育ったり、そういった文化・風習の中で育ったり、過ごしたりしていると、ニュージーランドのそういった男女関係にとても良い意味で新鮮な違和感を感じます。

昨日もそんな話をステイ先のお父さんと朝、外のデッキにあるソファーに座りコーヒーを飲みながら(いちいち優雅なんですよ!朝陽がそこに登って来たりして、水辺に様々な野鳥の営みを感じたり・・・。)こういった男女間の違いについてお喋りしていると、「ニュージーランドは世界で初めて女性に参政権が与えられた国だからね。」とか「首相と最大野党の党首と最高裁判所の裁判官と、国内最大企業の社長が同時に女性だった時期がある。」とか「国会の議員の半数が女性」とか「16%の国会議員はゲイ・レズビアン」たくさんのエピソードが矢継ぎ早に出てくる。

その上で「まだこの国で課題なのは女性というだけで生涯年収が男性よりも低くなってしまう(出産や育児で職場から遠ざかることによって)現状については克服していかなくてはいけない。」という問題意識を持っていたりと。そういった課題について身近に捉え、そしてそれらの問題意識が家庭での暮らし様にも反映されているのだという風に感じた。

試しに世界経済フォーラムが2022年に発表したジェンダーギャップ指数を覗いてみると、ニュージーランドは146カ国中4位、前年度から上位5カ国は変動なし。(因みに1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウエー、4位ニュージーランド、5位スウェーデン)
ニュージーランドが南半球の北欧と言われたりする所以がここにもありそうだ。

一概にこれの成績が良いから良い国という風に安直に繋げる必要は無いようにも思うが、確かに話していると、女性という性を持って生まれてきただけで男性に比べて暮らしていく上でハンディキャップがあるというのは不公平だと思う。日本人からは「男性は男性としての生き方、女性は女性としての生き方があるんだ!」というマッチョな反論が返って来そうな感じもあるが、例えば昨今日本でもやっと色々と話題に登り始めるようになってきたLGBTQの問題であったりしても、「男性だから、女性だから・・・」といったことに関係なく、それぞれがそれぞれで生きていく上で不利益を被らないような社会としての仕組みの構築はあったら良いんだろうと思わされた。(我が家は3人の娘もいますし。そのうちの1人はダウン症ですし。父親として色々と考えます。)

自分がいかに染まってしまっているかというのは外に出て気付くことは多い。

「日本はmasculine(男性)な社会だもんね」とバシッとニュージーランド人に言われると「そうだね」と言わざるを得ない。僕も特に日本の国会にスーツを着たおじさん、おじいちゃんがうじゃうじゃいるのに居心地の悪さや風通しの悪さを感じる。国会にいる女性も男性の様な女性が多い気がする。それは地方議会に於いても同じ。そんな事においても端的にその国を象徴する様でもある。

生まれ育った大好きな祖国を単に悪く言うようなことだけはなるべく避けたいとも思うが、「これが良いんじゃないか!」と思うことに真摯にチャレンジできるような個人や集団であってほしいと、自戒の念も込めながら思う。

それは人口500万人という国家としてはスリムな集団だから出来る事でもあるのかもしれない。

ここに来てまだ2週間だし、光もあればもちろん陰もあるのだろうけれど、「なんて良い国なんだろう!」と思うことが多々ある。学生時代から国外に飛び出すことが好きで色々な国の空気を吸ってきたけれど、「良い国だなぁ。良い人達だなぁ。」と思うことが多い。ホッとリラックスして過ごすことができる。安心感がある。

ジェンダーギャップ
子どもたちの教育
オーストラリアとニュージーランドの違い
老後のこと
不動産のこと
Living cost(生活費)のこと

お喋りしていてとても面白い!

赤道を挟んで鏡写しの様な国だけれど、本当に似ているけれど、全然似ていないところもあって面白い。

本当に面白い。

なんでもっと多くの人たちが移住して来ないんだろう?
なんで人口たったの500万人なんだろう?
と不思議に思う。

現に多くのニュージーランド人もオーストラリアの方が稼げるからとオーストラリアに移住する若者も多いと聞く。

英語圏の国の人だったら、言葉の壁も無いし、もっとニュージーランドに来ても良さそうなものなのにそうでも無い。

多分、「退屈」なんだろうとは思う。
自然とか、環境とか、アウトドアとかそういうのに関心の高い人たちにとっては面白い国なんだろうけれど、都市的なもの文化的なものに関しては乏しいのかもしれない。

人って面白い。