学校行き渋り
楓ちゃんが学校に行きたがらない。
去年の2年生くらいから段々と行きたがらない日が増えてきた。
最近では布団からなかなか出てこれない。
送迎のシルバーさんに連絡するタイムリミットの時間に最終確認をする。
「学校へは行かない。お休みする。」
シルバーさんへ連絡「休みます。」の連絡をすると、徐ろに布団から出てきて、元気になる。
大人は「なんで学校へ行きたくないのか。」最短距離で原因の解明に走りがち。
不登校の子の手記や、当事者や保護者の声など僕の仕事柄そういったものに触れる機会も多いが、楓ちゃんの感じもまさにそれで、朝起きれなかったり、訳を聞いても、それを言語化することが難しかったりする。
「あれが嫌だ。」とか「これが嫌だ。」と言うが、僕が思うにシンプルに「つまらない」のだと思う。
「つまらない、かもしれないけれど、なんだかんだ必要だから行きなさい!」と背中を押したり尻を叩いたりするのが一般的なセオリーなのかもしれない。僕たちもそれなりに背中を押したり、お尻を叩いたりして学校へ通うように水を向ける。
入学前の楓ちゃんがようちえんの年長さんの時に地元の学校の支援級や鳥大養護学校や今の白兎養護の学校へ見学・体験に行ってここが総合的に考えて良いのではないかと、楓ちゃんと夫婦で話しして決めた。最初の1年間は楽しそうに張り切って通っており、下校してからは楓ちゃんが先生に扮しての学校ごっこが家にて展開されるというのが常だった。妹たちは楽しそうに通う楓ちゃんの姿を見て「私も大きくなったら楓ちゃんの学校に通いたい!」と言っており、それを微笑ましく眺めていた。
去年から段々と学校から遠ざかり、学校の先生と「どうしたら良いものか」協議する機会も増えてきた。
昨日は、ついに校長先生と学年主任と担任と僕と楓ちゃん5人で話す機会を設定してもらった。
正味40分ほどの面談だったが、大人4人が真剣に楓ちゃんの事について話する場に楓ちゃんも参加者の1人として同席し(校長先生と担任の先生の席の間に座り。席順は楓ちゃんが決めた。)、それぞれの言葉に耳を傾けていた。
家庭以外の場所で楓ちゃんがイキイキと過ごせる場所があったら良い!というのが保護者の願いであるが、その思いというものを伝えさせていただいた。
どれくらい学校の先生に僕の言葉が響いたかは定かでは無いが、翌日の朝、楓ちゃんはムクッと起き上がって笑顔で「学校へ行く!」と言って出かけて行った。
嘘偽りなく、それぞれの大人が真剣に楓ちゃんのことを思って言葉を交わしていたのを、もしかしたら楓ちゃんは、そこから何かを感じたのかもしれないなと思った。
嘘の無い生き方をしたい。
嘘をつかなくても良い暮らしがしたい。
今もこれからも。
嘘なく、子どもにも、他人にも接していたい。
そうやって生きた先に、未来の子ども達や孫たちと嘘なく会話出来るおじいちゃんでいたい。
結局、子育てってよく分からない。
なるべく嘘をついたり、誤魔化したりせずに子どもとも向き合っていきたい。
今日は学校へ行ったけれど、来週の月曜日はどうだろう?
「今日は楓ちゃん学校へ行くかな?」そんなことを毎朝思う日々にどうしたもんかなと葛藤してみたり。
引き続きこんな葛藤は続きそうですが、ニュージーランドへ行ってインクルーシブな普通級へ行ったらどうなるのかな。
ニュージーランドへ行くにあたって個人的に楽しみなことはいくつもあるけれど、楓ちゃんの学校の事もそのうちの1つです。
あと、2ヶ月、白兎養護学校を通じて日本の特別支援教育について考えてみたいと思います。