
おしごと
僕たちは今ワークビザで滞在しています。
ニュージーランドに行くにあたって、ワークビザでの入国が子どもたちが無償で学校に通う条件だったので、ワークビザ取得に狙いを定めて入国準備をしました。
幸運な事にお仕事の内定をもらい、今は子どもたちが通う学校と一緒の学校に勤めています。
お互いのことをあまり深く知り合う前から(事前に履歴書等は送っていましたが、面接始まって数分で)「あなたここで働きなさい。」と言って採用してくれた校長先生。
僕の何を知ってその様にしてくれたのか、しかしその校長先生の決断によって今の僕たちの暮らしがあるので感謝しかありません。
当時はニュージーランドの教員免許登録へ動いている段階で、まだ取得できるか分からない状態でしたが、入国して数日後にタイミングよく教育省の方から免許登録が出来た旨のお知らせが届きました。
仕事内容も、学校に隣接するブッシュ(林)を使って色々な教育活動を展開したい、その為のスタッフとしてというざっくりとした内容で、具体的に事細かく決まっていた訳ではありません。
(日本でのサドベリーの実績を評価してくれて、オルタナティブな教育環境の構築という狙いもある様。)
実際、今週から出勤していますが、
・僕に何が出来るか、何をしたいと思っているか
・校長先生が何をしたいと思っているか、何を期待しているか
・先生・生徒達の思い
の擦り合わせだったり、他の先生も巻き込んで何が出来るのか、イメージとビジョンの共有の時間を持つ。
こうだったらもっと良い
その「良い」というゴールの照準を合わせながら、僕に出来ることをやっていくというそんなイメージ。
ちょうど初日と2日目に州の職員が来ての全校生徒参加型の植樹作業があった。
ニュージーランドの木の名前、鳥の名前、動物、昆虫の名前も覚えていきたいなと思っています。
スクールのニュースレターの写真にも映り込みました。
初日としてはたくさんのスタッフや生徒たちとの出会いがあってとても良かったです。
3日目は島の生態管理のフィールドワークに参加させてもらいました。
害獣扱いになっているネズミやイタチを罠で捕まえて駆除するというプログラムに参加させてもらいました。
今はそういったバイオセキュリティの問題の意識が高まっており、学校でも家庭でもそういった活動を行うようになってきているとのことでした。
(ニュージーランドは国としても厳格に生態系の保全に取り組んでおり入国審査が厳しいです。外来種の持ち込みだったりにナーバスです。)

黒鳥の営巣地でもあるみたいで、親鳥が卵を温めていたり、孵化したばかりの雛鳥を連れて親鳥が散歩していたりと野生を身近に感じました。

何ていうんでしょう。
ニュージーランドって自然が豊かと良く言われていますが、来て見てみるまでそれらについてあまり実感がありませんでしたが、野生を近くに感じます。
散歩していると、抱卵している黒鳥がここから先に近づかないで!と威嚇したりします。

学校のすぐ隣が大きな自然公園なのですが、そこにもスクールが管轄している罠のトレイルがあります。
しばらくその罠は放置されていましたが、この度この罠のトレイルの見回りも復活する見込みです。
それのチームに僕も仲間入りさせてもらう予定です。

今学校に隣接するブッシュにも罠の設置を進めており、そちらも生徒とともに日常的に見回り管理する計画です。
生物多様性と生態系保全をテーマにしながら、身近に生徒と一緒に体験・経験していけたらという狙い・気持ちです。
まだ通い始めて1週間ですが、なんというのでしょう教育活動のダイナミクスさと柔軟さと、大らかさみたいなものに刺激を受けています。
水曜日に訪れた島ではその環境が素晴らしく、引率した先生と共に6年生の1泊の宿泊体験を企画計画することになり、実現に向けて動き始めました。
泰ちゃんとも話ししているのですが、不思議です。
同じ時間が流れているはずなのに、所変わればこんなにも感じ方が変わるものなのかと。
(それを家族で感じるというのが、異国に暮らしの場を移した最大の理由です。)
全校生徒650人ほどの学校なのですが、生徒も先生もリラックスしていて笑顔が多いです。
個別最適化のような感じで、グループに別れて学習していたり、個人で学習していたり、クラスを超えて外の課外プログラムに参加したり。
僕が担当するバイオセキュリティのチームもクラスはバラバラですが、チームとなってブッシュの生態系保全に向けてのプロジェクトを他の生徒たち(下級生)のリーダーとなって進行していきます。(そういう野外が好きな生徒たち。)
まだなんか上手く言語化出来ませんが、それぞれの先生がある程度の自由と裁量権を持ちながら日々過ごしているような感じもします。
今は僕は学習サポート教員のような立ち位置なので(クラス担任とかではなく)、より自由度が高く、そして色々なところに連れ出してもらい、色々な人に繋げてもらっています。
来週も生徒と一緒にナマズ釣りや、海釣りに同行させてもらう予定です。
校長先生には「Keep moving!」と言われます。
この学校の標語でもある、Keep Moving, Keep Growing, Keep Learning 良い言葉だなと思います。
学校の看板に書いてあるこの言葉が印象的で就職面接の時にもこの言葉について触れました。
思い返してみたらこの学校での就職面接の日取りはオークランドの空港についてから電話でアポイントを取ったくらいそんなに事前にキッチリと決まっていた訳ではなくて、あの時あそこで電話してみて良かったな、あのときちょっと遠かったけれど5時間かけて面接に向かって良かったなと不思議なご縁を感じます。
そんなこんなで仕事は手探りで色々な人とコミュニケーションを取りながら、何が出来るのかをしばらく探っていく感じですが、そんな自由度も楽しかったりします。

合間合間にブッシュの環境整備をしています。
トレイルにウッドチップを敷いたり、枯死木を伐採したり、玉切して薪にしたり。
天気の良い日の外仕事は気持ちいいです。
それにしても、日本の教員免許をニュージーランドの教員免許に書き換えて今こうして働き始めている訳ですが、そんな事が出来るだなんて思いもよりませんでした。
各都道府県の教員採用試験を受けて、そこの県で採用になってという世界観しか持っていませんでしたが、「家族でニュージーランドに引っ越す」と決断することによってまた新しい世界を見させてもらっています。

