日々の暮らし

手をしゃぶる

この前の金曜日、心臓のカテーテル検査が無事に終了した。

娘は生まれながらにして心臓に穴があいていた。
心室中隔欠損症(VSD)
今まで聞いたこともないような病名だったが、不思議と今は耳に馴染む。
代表的な先天性心疾患で1000人に3人の割合で起こるそうだ。

チアノーゼで病院に運ばれたときは、全然知識とか無いものだから有機農業していて良くきく「ブルーベビー」なんかを疑ったものだ。今にして思えば的外れも甚だしくお恥ずかしい。

入院後に色々検査するなかで、心臓エコーをとった際に担当医に
「心臓に穴があいています」
と言われ、普段小さい僕の目はその時2倍近く大きくなったのではないか、というくらいの驚きだった。
続けて
「心臓に穴があいている、その背景にあるものも疑っていく必要がありそうです。」
と、言われた時に初めて
「染色体異常」
という言葉が頭に浮かんだ。

それくらいの感度だったわけである。

娘は、息子と同じ助産院での出産だった。
生まれてきた際の顔が少し「?」と感じたのは確かだったが、それでも「?」と思ったのはその時だけで、それ以降は気になることはなく、息子のときと同じように助産院で時間を過ごし、5日後には退院して妻の実家で時間を過ごす。

娘の時も助産師さん5人に立ち会っていただいた。
経験豊富な助産師さんたちだから、共に5日間過ごす中で「もしかしたら」という想いはあったそうだ。
だがこういった場合、不用意に母の不安を煽るようなことは言わずに、まず母親が子どもに愛着・愛情を持つことが第一なのだそうだ。

おかげで、僕たちはなんの疑いも持たず、幸せな3週間を妻の実家で過ごすことが出来た。

途中で心臓の穴が見つかっていたら、助産院では産めなかっただろうし、早産でも産めなかった。
ギリギリのめぐり合わせで、僕たちはまたしても幸せな出産の機会に恵まれた。

今でも、その思いは変わらず、あの出産、出産後のあの3週間があって良かったと切に思う。

娘が生まれて2ヶ月ちょっと
心臓カテーテル検査の際にヘモグロビン数が通常の半分程度だったこともあり、120mlの輸血をした。
すると、肌の血色も良くなり、なんだか元気になった。
今では真っ赤な顔して泣くそうだ。(僕はまだ見ていないが・・・)
赤ちゃん
検査後2日、自分で自分の手をしゃぶろうと頑張っている。
息子にもそんな時期があったと懐かしく、妻から送られてくる画像に目を細める僕でした。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です