
家族海外旅行②
大学生の頃よくバックパックを背負い外国、とりわけ「発展途上国」と言われる国々を訪れていた。
今思えば円の価値も高く、20万円ほどを貯めて長期休みの6週間くらいを外国で過ごしていた。今は円の価値が低下して外国旅行へ行くのも当時と比べたら難しさを感じる。大学の留学担当をしている先輩から「今の子達はますます外国へ行かなくなってきている」という話も聞いたことがある。
僕が外国行くのも良いなぁと思うのは自分の「常識」が壊れ、その壊れたのをきっかけにまた自分の常識を再構築していく作業が心地良かったからだと思う。「あぁ、これでも良いよな」と自分の生きやすさに繋がって行ったと思う。大学生の当時から海外旅行の経費の多くは航空券が占めていた(僕が訪れていた国・地域の多くは宿泊費が当時1泊50円〜500円くらいだった。)からなるべく多くの日数をそこで過ごしたいと思っていた。
息子も大きくなり「海外旅行に行ってみたい。」と言うようになった。そんなこんなで今回フレンチポリネシアに家族旅行することになったのだが、若かりし頃の海外旅行の習慣からか「行くなら長期で行きたいな」と宿泊費をHome-exchangeに頼り、31日間フレンチポリネシアに来ている。

あまりフレンチポリネシアと聞いてピンと来ない人も多いのでは無いでしょうか。僕もその1人でした。あまり予備知識を入れずに友人の「良かったよ」というコメントとその時見せてもらった写真で「行きたい!」と思い決めました。

「タヒチ」と聞くと聞いたことがある人もいるかと思います。僕もタヒチは国名かと思っていたのですが、正式には南太平洋のフランス領ポリネシアに属するソシエテ諸島にある島の名前です。
僕達も最初の滞在はこのフレンチポリネシアの首都にあたるタヒチ島のパペーテ国際空港に降り立ちました。
何も分からずに上陸しましたが、フランス領なのでフランス語とそしてもともとの言語であるタヒチ語が公用語・共通語です。
通貨は未だに覚えられませんが、CFP francです。だいたい1000フランが日本円で1300円程度で、僕は分かりやすく計算時には1.5倍しています。350mlのビール缶が250フランで買えたり、バナナ一房が500フラン(市場などに行くとたまに300だったり)、外食も(あまりしませんが)例えば焼きそばとかチャーハンとか買って食べたときは2000フラン、こちらは海鮮も豊富でマグロが1Kgで1000フランだったりします。ものによっては安いと感じたり、高いと感じたり。

僕達はニュージーランドからやってきたので、魚介はとても安くフレッシュに感じてよく購入しては刺し身など調理して食べています。(ニュージーランドは島国なのに需要がそこまで無いからか魚介が高いです。)外国に来た時に現地の人たちは何を食べて暮らしているのかな?なんてことがまず初めの関心事ですが、フランスパンは何だか現地の人にとってとても身近な、そして特別な地位を占めているように感じます。

1本60フラン。僕はここで普段の1年分のフランスパンを食べているように感じます。マンゴーは1個100フランくらいです。フランスパンの他にバナナ・マンゴー・魚介を沢山食べて暮らしています。段々とこちらでの食生活にも慣れて来た気がします。

最初の10日間くらいはタヒチ島に滞在し、今はフェリーで3時間位のところにあるHuahine島というところに滞在しています。人口6000人くらいの東京23区より少し大きく、智頭町と比べると1/3くらいの大きさの島です。島内には信号機が1つも無く、人々はとてものんびりとおおらかで優しいです。
東京から両親も合流し、1週間ほど一緒に過ごしました。67歳の2人ですが、とてもフットワークが軽く、我々の滞在中のアクセントにもなりみんなで楽しい時間を過ごすことが出来ました。
僕の弟は北海道、妹はドイツに住んでいて、両親は1年の間に北海道、ドイツ、ニュージーランドを子や孫を訪ねて行ったり来たりしています。僕も彼らに倣って北海道やドイツに行ってみたい。家族近くで暮らすのも勿論良いですが、色々なところに訪ねに行ける拠点があるというのも良いのかもしれません。最近は便利になってテレビ電話なども簡単に出来ますしね。

物価は日本と比べると高いです。僕の感覚で言うと2倍くらいでしょうか。とはいえ、何かUSJやディズニーランドの様なアミューズメントパークがあるわけでもなければ、公園が散在している訳でも無く、僕達がしていることと言えば、海に行って遊ぶというのが主なエンターテイメントです。島は珊瑚に守られているいわば環礁と言われる環境で、珊瑚内は波も穏やかで泳ぎやすいです。水温も高く泳いでいても寒くなることはありません。日中の気温は25℃〜30℃くらいでしょうか。湿度は高く、僕は協力隊時代のフィリピンの気候を思い出します。暑くてジメジメしていて日中はボーッとして仕事をする気になれない。海へ行ったり川へ行ったりプールへ行ったりして暑さをやり過ごす事が最高の癒やしという様な。

ところどころ、ツアーを組み込んでみたり、両親が一緒のときは試しに1泊リゾートホテルに泊まってみたり、なるべく手を変え品を変えてみんなで楽しい時間を過ごせるようにと思っているのですが、娘たちは海にも飽きてしまったようで「海やだー!」と末娘は激しく抵抗したりします。行ってしまえば楽しく遊べるのですが。
明日から3島目となるRaiatea島。ここからフェリーで1時間の距離にある島で、日本でリゾート地として有名な(僕は知りませんでしたが)Bora Bora島の近くでもあります。今回僕達はBora Bora島へは行きません。次の家はビーチ沿いにあるという事なので、もう少しお手軽に海水浴を楽しめるのではないかと期待しています。今いる島よりは栄えているそうで、Child centerがあったりプールがあったりもするようで、ちょっと気分転換にもなるのではないでしょうか。
こんなに長期で家族旅行するのは初めての経験で、たまに見かける家族で世界旅行とか一見キラキラして見えるけれどそれぞれのペースや好みがあるなかでずーっと一緒にいるっていうのもどうなのかなぁ、とそういった家族旅行に対する見え方が変わったり、ヨーロッパやアフリカなんかに家族で行ってみたいなぁとも思っていたけれど、果たしてそれは良い選択と言えるのだろうかと思えたり。
子ども達は友達と遊ぶ時間の方が良かったりするのかもなぁとも思ったり。
何はともあれ経験値は上がっています。

今から滞在中の家の片付けをして明日の出発に備えたいと思います。
今晩のご飯はサラスパと明太フランスの予定です。

