狩猟

かわいそう

「かわいい」という言葉はもともと「かはゆし」←「顔映ゆし」という変形でできた語。
思わず目を背けたくなるような哀れな様子、という意味。

もともと、「かわいそう」は「かわいい」から来てたんですね。

【シカの命を奪う話です。苦手な人は読まないで下さい】

朝7時前

家の電話が鳴る

この時間帯の電話・・・

「きっとシカだ・・・」

電話口で応対するなおちゃんの言葉に遠くから耳を傾ける

果たして、その通りだった。

ほんとに多いこの時期のシカの捕獲

いつもお世話になっているおじいさんからの電話、出勤前の時間だったが現場に向かってみることにした

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現場に行ってみると、まだ生きているではないか!

「なんとかしてごせぇ」

実は僕はこんなに元気な状態のシカと生命与奪を感じながら正対するのは初めてだった。

それでもやるしかない。

フィリピンでなんども豚、水牛を撲殺する現場はみている。

猟師さんの本でも撲殺の現場がリアルに再現されており、それらのイメージが頭の中を高速回転していく。

「やるしかない」

僕は車に積んであったハンマーを手にする。

1発目

緊張と興奮での昂ぶりのせいか空振り

2発目

思い切って脳天に向かって振り下ろす

命中

膝から崩れるシカ

3発・4発

動きが鈍くなると同時に頚動脈めがけて出刃包丁を差し込む

思うように血が出てこない

一度抜いた刃を再度刺す

離れて観察するもなかなか絶命しない様を近くで見るのは忍びなかった。

それでも死を受け入れているのか、静かにヒュー、ヒューと呼吸しながら横たわるシカ

ちょうど現場は新田の小学生・中学生が登校に通う通り道

子ども達が現場の横を通り過ぎていく・・・

いくらそういうことに「比較的」慣れているとはいえ、今そこで行われている光景にどう反応していいのか察しかねている子ども達の様子を肌で感じる。

「かわいそう」

そんな言葉がついつい僕の口からも漏れてしまう。

早く楽にしてあげたい

切腹時の介錯人がなかなかその使命を果たせずに四苦八苦している様を連想する。

シカはしばらくして絶命し、その後頭に引っかかったネットを取り外し、川辺で腸を出してから出勤したわけだが

その絶命の間の時間が恐ろしく長く感じた。(時間にしたら数分のことだったのだろうが)

狩猟をするならば、上手にその命を頂く術を心得ないといけない

ということをこのときほど強く感じたことはない。

鉄砲に対する抵抗はまだあるが、それでも鉄砲で命を奪う方がいいかもしれない

そんなことを考えた朝でした。

出勤後はシカを肉にする作業でしたが、そういうことに興味ある友人に声をかけたら見学に来ました。

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田畑など人里に出てきて、人間生活と衝突するから、捕まえて食べているが、もし、シカは山、人は里、という風にうまいこと棲み分けが出来ていれば、僕はわざわざ山に出かけてシカを捕まえて食うということはしないのではないか

という風に今は感じる。

シカが日本で増えているのは事実なんだろうけれど、同時に山の荒廃ってのもやはり事実なんだろう。

山をなんとかしたい[E:bearing]

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