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Homekilling 〜飼っている動物がお肉となって食卓にあがるまでのお話〜

【注意:牛が解体されてお肉になっている写真が含まれます。苦手な人はご遠慮ください。】

日本で生まれ育ってきた私なので、どうしても日本の事についてよく考える機会がまだまだあります。

「日本は〜」「日本だったら」と日本を基準にして物事を考えるということは頻繁です。

自然ニュージーランドと日本を比べたり、違いについて考えたりする機会もよくあります。

その違いについて最近感じ、考えたのは動物を屠殺して食肉にするプロセスの違いについてです。

日本に住んでいるときは鶏を飼ってそれを時折お肉にしたり、鹿を獲ったり戴いたりしてしてそれをお肉にして食したりしていました。

知り合いには豚を飼ったり羊を飼ったりしている人たちもいましたが、日本はと畜場法によって獣畜はと畜場以外で屠殺してはいけない事になっています。趣味や自家消費のために、少数の鶏を自宅で処理することについては、食鳥処理法による直接的な規制は適用されないため、自宅で家きん(食鳥)をお肉にすることは可能です。

ちなみに鳥取県では大山町にある株式会社鳥取県食肉センターというのが肉牛・肉豚のと畜からカット加工までを一貫して行う唯一の会社の様です。
https://t-syokuniku.com

対してニュージーランドではホームキリングといって自分の家畜を自分の敷地内でお肉にする作業が認められています。ただし、規制された食肉処理場を通らないため、食肉検査などの厳格な食品安全管理が行われません。そのため、肉の安全性は保証されず、消費は自己責任となります。なので、譲渡や販売も禁止されています。

なので、田舎の農村で動物を飼育している家庭などではホームキリングが一般的でよく話題にのぼります。

スーパーで売られているお肉よりも安く美味しいお肉が手に入るというのが通説です。

美味しさは数値化するのが簡単では無いですが、値段に関していえば自分で全て行うとしたら相当安くお肉が手に入ります。

この度僕達も飼っていた牛(アンガス牛)をホームキリングの事業登録をしている知り合いに頼んでお肉にしてもらいました。

内蔵を抜いた骨付きの重量で490キロ、その60〜70%の重量がお肉になります。(60%として約300キロ)

参考までに今回の請求書は上記。

合計で1476ドル、今のレートで約13万円。

お肉が各部位ごとに真空パックになって冷凍庫に入れるだけの状態になって引き渡しとなります。
ステーキ肉があったり、薄切り肉があったり、ミンチ肉があったり、ソーセージがあったり・・・。主要部位はステーキとしてパッケージングされますが、その他の部分はミンチやソーセージになります。色々と別に「ガーリックハーブ入りソーセージ」とか「パテ」とかリクエスト出来たりもします。

この前スーパーに行ってミンチ肉の値段を見たら1キロで約2000円、フィレステーキは1キロで約7000円でした。

ニュージーランドでこうして牛を飼うようになって牛肉を食べ始めましたが、牛肉の値段というものに馴染みの無い暮らしを長年送っていました。

AIに尋ねると鳥取県で牛肉ミンチ1キロ約1500円、フィレステーキ(ばらつきがありますが)1キロ約1万円でした。

13万円を300キロで単純に割り算すると1キロあたりの値段は433円になるのでこれだけ見るとだいぶ割安感があります。

ただ、忘れてはいけないのは飼育に手間と費用がかかるということです。今回私たちがお肉にした牛は2歳半の牛で、2年半分の飼育の手間と費用がかかっていることになります。
ちなみに今年私たちは生後8日の仔牛を約1万円で購入しました。母牛が仔牛を牛乳で育てたらミルク代はかかりませんが、人間同様粉ミルクで育てようと思うとお金がかかります。この話をすると母親は偉大なり!という話に我が家ではなります。

自然状態で飼育すると生後8ヶ月から11ヶ月くらいまで仔牛は母牛のミルクを飲むそうです。

粉ミルクを止めれるタイミングとしては生後2〜3ヶ月くらいと言われていて体重が100キロになるのが目安と言われています。

ミルクを卒乳したあともスターターとして第一胃の発達を促すために固形肥料を与えるのが一般的な様で、諸々と費用がかかります。

どの様に育てるのかは飼い主次第なのですが、例えば卒乳して固形肥料の依存度も減り、基本草と水だけで生育するようになった仔牛を購入しようとすると500〜750ドル(約6万円)というのが相場の様で、要はそれくらい手間と費用がかかるという事です。

なので諸々のそういった手間や費用を考えると、ざっくりとスーパーで売られている値段の半分くらいかなぁという話をよく聞きます。

牛を飼うようになって、鳥取でやっていた米作りをよく思い出します。

米作りも、作り手さんのやり方や想いなんかが色々とあってお金をかけるやり方でする人もいれば、なるべくお金はかけないけれど手間をかけるというやり方をしている人もあって、バリエーションがあります。牛や羊(きっと豚や馬やその他も)も同様だなぁと思います。

自分で作ったコメや野菜は美味しく安心していただけていたように思いますし、鶏の卵やお肉も美味しく安心でした。

それに似ているなぁと。

一番楽で簡単なのは都市に住んで、スーパーなどで食べ物を調達してというのが簡単で効率が良いのだろうと思います。ただ、きっと僕達がこうして田舎で「忙しい、忙しい!やることはなんぼでもある!(全然「スローライフ」じゃない。)」なんて言いながら暮らしているのは、それが好きで楽しくて、生きている実感を感じやすいからだろうと思っています。

お肉屋さんか!ってくらいのお肉になりました。家族1年分以上のお肉が今冷凍庫に大切に保管されています。(もともとあった冷凍庫に入り切らなかったので急遽もう1つ購入しました。)

今飼っている仔牛は来年度は交配させてその次の年に出産させて母乳飼育したいなと計画しています。(お隣さんの大規模にされている農家さんが雄牛とタダで交配させてくれると言ってくれています。ありがたい。)

羊は自分たちで繁殖させて増やしていこうと思っています。(そして羊に関しては自分で捌くこともちょっと検討しています。)

牛も羊もなるべくコストをかけずに、なるべく自然な形で持続的に飼育していきたいなと考えています。

まだほんの入口ですが、考えることや、知らないこと、やってみたいことが沢山あって楽しいです。

ちなみにタンや心臓などはこちらでは食べる習慣があまりなく、廃棄されることが多いです。周り近所に言って回っているとたまにそういったものをくれるようになってきました。先日は同僚の先生が羊の心臓、肝臓、腎臓をくれました。

我が家ではタンやハツ(心臓)は美味しく戴いています。

ニュージーランドと日本の屠殺に関する法律と慣習に対する違いでした。

2件のコメント

    • hibinokurashi

      本当にワイルドです!
      使われない臓物や毛皮が勿体ないなぁと思うのですが、まだまだそこに手を伸ばす余裕が無く見送ってしまっています。
      今回のタンは冷凍せずにそのまま焼いて食べたらとても美味しく感じました。
      面白く、そして恵まれた経験をさせてもらっているなぁと感じます。

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