居心地の良さ
子どもたちは語学の面で大なり小なり苦労しており、学校へ行って帰ってくるとクタクタな感じ(だんだん慣れてきてクタクタ具合も少なくなってきているようには感じますが。)。
帰宅したらちょっと休憩!とおやつを食べたりゆっくりYoutubeを見たりして充電タイム。
僕はというともちろん語学が完璧に出来る訳では無いから多少の不自由は感じつつも、それでもなんだかとても「楽しい!」「居心地が良い!」
これは前回就職活動の旅で3週間ちょっとニュージーランドに滞在した時にも変わらずに感じた感覚。
何も困ることが無い。
この感覚の源はどこにあるんだろう・・・と最近考える。
僕も異国の地で過ごした経験は少なからずあるわけだが、ちょっと嫌だなとか、しんどいなとか、気になっちゃうな、ということはどこに行ってもある。
それは治安からくるものもあるかもしれない。
貧困からくるものかもしれない。
衛生状態のときもあったかもしれない。
ちょっとした差別的な視線だったり、態度だったりしたときもあったかもしれない。
食べ物の違いからくるものもあったかもしれない。
言語の壁のときもあったかもしれない。
「居心地の良さ」の対比として「居心地の悪さ」にフォーカスすると上記の様なものがまず浮かぶ。
それらがニュージーランドで感じることがほとんど無い。
(対人関係)
人々は気さくで、優しく、寛容で、対人距離感が近すぎず、遠すぎず本当に心地良い。必要な時にはすごく親身に寄り添ってくれるがそうでないときには干渉してくることもない。
(治安)
僕たちが今住んでいる地域は、コロナ対策でホテルなどを開放してホームレスの受け入れなどを大々的にしていたらしく全国からホームレスが集まり今もこの地を離れずに暮らしている人々も多数いるらしく、確かに町に出るとお金を要求されたりする。
先日おばさん(マオリ)にお金を要求(車がスタックしてしまって動かすのに5ドル必要で・・・。支離滅裂な感じ)されて、財布の中に入っていた10ドル(10ドルしかお財布に入ってなかった!こちらはキャッシュレスだから現金は持ち歩かなくても大丈夫だとはいえ。。。)を渡したらすごく驚かれそして感謝された。
泰ちゃんともこの喜捨に関してお話する機会もあり、お金の渡し方って難易度が高かったりする。
僕も最近ヒッチハイクをして、沢山の見知らぬ人に協力のお願いをする中で、似たような感覚を感じる。(手を差し伸べてもらえるととても嬉しい!!)
それでも、住んでいる地区はじめニュージーランドは日本と同様治安がとても良い事でも有名で、歩いていて怖さを感じることが少なく、子育てする上でもそこは大きな安心感ではある。
(多様性)
そもそもニュージーランドは移民の国という風に捉えられることも多く、オークランドなんかは外国人がとても多いし、僕たちが住んでいる町も移民の人は多い。
中国系、インド系がまず数としては多いが、大洋州の国々の人たち、日本人の人もいるし、フィリピン、アフリカ、中東、の人々も見かける。
そもそもヨーロッパの人たちが移住してきたのもここ200年くらいのことだから、イギリス系、オランダ系、南アフリカ系とお父さんお母さんの代からこちらに住んでいる人たちは沢山いる。
子どもたちが通う学校も、もうごちゃ混ぜで、みんなごちゃごちゃに混ざり合いながら育ち合っていく。
ほっそりした子もいれば、ぽっちゃりした子もいるし、小柄な子もいれば、大柄な子もいる。赤髪もいれば、黒髪やチリチリの髪の子もいる。肌の色も様々だし、髪型も多様。
あの保守的な泰ちゃんでさえ、昨晩カミナリのソリコミをいれようかな!なんて言い出した。面白い!
人々は違っていることが当たり前でそれがデフォルト。
均質的な日本の感じとはそこが異なり、もしかしたらそこが居心地の良さの大きな要因なのかもしれない。「自分は自分で良いんだ」という安心感。素直に自分らしさを追求することが許される雰囲気。
野ちゃんは大好きなおしゃれを存分に楽しんでいるし、ローラースケートを履いて学校に行く。
僕も僕であれていて、変に取り繕うことも無い。
(あいさつ)
僕は挨拶も大きな要因にあるんじゃないだろうかと感じている。
子どもたちは学校でも学校の外でも友達から「Hi!(それぞれの名前)」と声をかけられることが多い。
子どもたちは「Hi」と返しているのだが、先日「Hi」だけで終わらせるのではなく「How are you?」って続けてごらん、とアドバイスしたら、泰ちゃんも野ちゃんも少しずつそれを実践している様だ。
「How are you?」への返事の仕方も日本の教科書の様に「Fine thank you and you?」だけでなく実に様々で、まずは相手が何を言っているか聞き取り、それを真似るところからボキャブラリーを増やしていく。
赤ちゃんがまず自分の言語を習得していくのと同じプロセスを辿っていく。
あいさつって本当にその人がどうかを真剣に気にして尋ねている訳ではないが、それでも「あなたのことを気にしていますよ。」という軽いメッセージになっていると思う。
それだけでちょっと元気になったりするものだから、「あいさつ」ってすごい道具だと思う。
(柔軟性と機動力)
あと多分、推測だけれど、ニュージーランドという国は新しく何でも「良い」と思える事に対して果敢にチャレンジするような雰囲気が国としてあるように感じている。間違っていたらやりながら修正したら良いし、なんならやめても良い。「まずやってみる」という雰囲気がある。
仕事をしていても「これやってみたいと思うんだけど。」と提案すると十中八九「That’s a great idea」とそのアイディアを褒めるところから始まることが多い!そして考えた計画を伝えると「良いね、やってみよう!」とすぐに動き出すことが多い。
この柔軟性と機動力がとても気持ち良い。
「まずやってみること」が大事なのであって、やる中で見えてくる景色は必ずある。
「やらない理由を探し並べてやらない」というのはすごい損失だと僕は思う。
(何か新しいことをするっていうのはエネルギーの要ることかもしれませんが。同じことをやり続けるのが楽なのかもしれませんが。)
逆に企画を提案して「それはちょっと・・・」ということは本当にマズイんだなって思う。
(外来種で駆除対象の「なまず」を学校のブッシュの沼で飼育したら面白いじゃないだろうかと思い提案したがニュージーランドは外来種の駆除だったり、生態系の保全に対して厳格な法律が存在する様。)
「楽しい!」
楽しいんです。
まだこちらに来て1ヶ月ほどですが、ずっとここに住みたい!って思えるくらい良いところだなぁって思います。
まだ半人前ですが、早く1人前として暮らしが成り立つようにやっていきたいと思っています。
そして早く家族が合流できますように🙏
※校長先生や副校長先生などはとてもオフィスワークが忙しく、ミーティングが多かったり書類仕事が山の様にあったり、大変そうです。好きでそういうポジションに就いているのかもしれませんが、僕はなるべくそういったものから距離を置きながら、かつ一人前になれるように頑張りたいなと思っています。
※最初だからこんなに楽しいのかもしれません。でも最初からつまらないというより100倍は良いなと思いながらこれからも楽しんでいきます。
※冒頭の写真は生徒と一緒に椎茸栽培をしようと準備している写真です。ブッシュにブナの倒木があったので。
ニュージーランドのスーパーには1種類のキノコしか売っていません。椎茸栽培面白いと思うんだよなぁ。