
TOD(Teacher Only Day)
昨日の月曜日はTOD(Teacher Only Day)でした。
生徒はお休み。先生だけ登校してミーティングを行いました。
僕は初めての機会でしたが、年に3回ほどあるようです。
我が家の子どもたちはというと、家で子ども(13歳以下)だけでお留守番することはニュージーランドではダメなので、一緒に登校しました。
他にも先生たちの子どもが来ていたり、近所の暇な子は学校に遊びに来たりもしていました。
日本とは違い、学校採用なので、先生たちも近所に住んでいる人が多い印象です。
(職場は自分の家から近いところが良いと考えるのは人情ですね。)

Morning Tea Timeやお昼ごはんは一品持ちより形式だったり、ミーティング中、校長先生が話しているときも腹ばいになって聞いているスタッフがいたり、足を投げ出して座っているスタッフがいたりと、日本の職場環境からするとギョッとする様な光景も、良く言えば校長先生含めてみんながリラックスした雰囲気ということなんだろうと思います。
実際に議論も活発で、みんなが安心して自分の意見を言い合うような雰囲気があって、一緒にその場にいて気持ち良い。日本の職場だとシーンと誰も発言しないような時間が結構あるように感じます。安心・安全な場というのは創造的な場には必要なんだろうと思います。
ま、そんな色々なことが初体験で、面白かったりするのですが、僕たちもこちらに来て3ヶ月が経とうとしています。
ニュージーランドは12月が学年末なので、そろそろ年度も終わりに近づいています。
クリスマスも近づいているということもあって、なんだか周りの雰囲気もソワソワしている感じです。
そしてニュージーランドの夏休み(12月1月)は約6週間あってそのホリデーの計画についてもワクワクしている人が多い印象です。(大人も子どもも)
なんか楽しい雰囲気なのです。
そして、僕の来年度の起用法についても検討する時間がありました。
僕はこの学校では変わり種です。
クラス担任を持つでもなく、何かこれをしてくださいと具体的なタスクや指示がある訳ではなく、僕がこの学校で出来る可能性について、僕自身を含めて、全体(主に校長や副校長(3人))で探るというような段階です。
そんな変わり種にも、今月から現地の先生と同程度の給料を支給することが決定して、同じ様な労働条件で働いています。(8時30分頃に子どもと一緒に登校して、3時に子どもと一緒に下校する。今はそんな風な拘束時間です。妻娘が合流したら、もう少し長い時間働けるかもしれませんが、家庭も仕事もという事で大らかに見守ってくれています。家庭を大事にする雰囲気やライフワークバランスなど本当に感じ入ってしまうことが多いです。それで日本の給与水準の約2倍くらいもらえます。日本の小学校の先生は初任給が22万円くらいでしょうか。ニュージーランドは約45万円です(1ドル90円換算)。この場合30%の税率がかかるので、手取りは約32万円です。)
挑戦的な取り組みで、周りを見渡してもあまり例の無いポジションです。
こちらに来て新しいことが多く、観察する事が多かったのですが、これからは自分のビジョンをしっかりと見据えながらコミュニケーションに重きを置いて、分からないことは積極的に尋ね、自分の考えていることを周りと共有してということを意識的にやっていきたいなと思っています。
ニュージーランドは今はカリキュラム変更の移行期です。
AIが台頭してくる変化の多いこの時代に、どのように学校として取り組んでいくのかという事を国をあげて挑戦しています。
いくつかの教育改革の変遷があるようで、
日本にあるような教育委員会の組織は1989年の教育改革でその100年以上続いた歴史に幕を閉じたようです。
そして、1つ1つの学校に権限を移譲し、複雑にそして肥大化した教育行政のスリム化が図られたようです。
教育委員会に代わり、地域で構成するBOT(Board of Trustees:学校理事会)が学校の運営を担っています。その会は校長先生、教職員、保護者、地域住民の5〜7人で構成されます。
今回のカリキュラムの改定では8つある教科(「English:英語」「the art:芸術」「health and physical education:体育」「learning languages:言語学」「mathematics and statistics:算数と統計」「science:科学」「social science:社会学」「technology:技術」)を横断的に学習していく際にその成果ではなく、その進捗に焦点をあてていくという風にも記載されています。
因みに、このカリキュラムの改定に際して明記されているビジョンは、「The vision is for young people to be confident, connected, actively involved, lifelong learners: 若者が自信を持ち、つながりを感じ、積極的に参加し、生涯学習者であること。」です。
それぞれのカリキュラムは2024年度、2027年度にかけて段階的に学校現場にて移行していく予定です。
そのカリキュラム内容も教科毎に順次公開されていっているところです。
具体的にどのように変わっていくか、変わるためにチャレンジしていくかというのを、現場で直に感じていきたいなと思います。
僕自身も、どのようにここで子どもたちに、学校に、地域に貢献していけるかを模索して頑張っていきたいなと思います。
僕の個人的なビジョンは「この変化の激しい時代に、子どもにとって良い環境、良い学校とはどのようなものか?という問いを見つめ続け行動する。」です。
「私は洋介に、あれして、これして、と細かく指示することはないよ。」と昨日も校長先生に言われました。
何か最初から具体的なタスクを与えられる訳では無いところは、前職のサドベリーの現場とも通ずるところがあって面白いなとワクワクします。
めちゃ自分で動いたり、考えたりする必要があるから大変は大変かもしれませんが、楽しいです。

